現時点の課題についていくつか
1年以上ブログの更新が滞ってしまいました。
昨年の4月から東京を離れ、一般企業で働いております。月に2回程度は東京に戻って浴室や脱衣所などのメンテナンスをしていますが、銭湯経営に関しては祖父に任せっきりです。
この1年間で銭湯業界では色々と新しい試み(小杉湯や喜楽湯の取り組みが毎日新聞の全国版にまるまる1ページ載ったのには驚きました)があった中で、何ひとつ前進できなかったことに対する危機感と不甲斐なさでこのブログを書いています。
本題に入ります。
現時点の課題として上がってくるのは以下の3点です。
① 見本にすべき銭湯が見つからない:個人的に「駅から遠い・改装していない・利用者が多い」という条件を満たしている銭湯を今後の運営の参考にさせていただきたいと思っています。ただ、今のご時世で人気がある銭湯というと、改装している銭湯か、改装していなくても山手線圏内からのアクセスがよい銭湯に限られている気がします。
正直、行き詰まっています。こっそり情報を教えていただけると泣いて喜びます。
② 自分が不在の状態で、どこまで責任をもって大和湯に手を加えられるか:内装を変えたり(女湯の脱衣場に読書スペースを作るとか)、壁新聞を始めたり、マンガを入れ替えたりするくらいしかできないのかな、と思っています。いつこの業界に戻ってくるのか、そもそも自分が本格的に銭湯経営に乗り出す勇気と度胸があるのかも分からない現状では、なかなか思い切ったことはできないのかなと思っています。
③ 気軽に相談できる方がいない:自分は銭湯経営者ではありませんし、かといって銭湯ファンという立場にもなれません。中途半端きわまりない立場にいると思います。本気で銭湯経営をやっている若手の経営者の方々にご相談したくても「なめてるのか」と言われてもおかしくない立場だと思います。
ただ、正直ひとりではこの先どうすればいいか見当がつかなくなりつつあります。
銭湯経営者の方でも銭湯ファンの方でも構いませんので、「銭湯運営のアイデアがある方」「モデルとすべき銭湯について助言いただける方」がいましたら、ご連絡いただけますと幸いです。
これからの1年間でどれだけ銭湯の運営に対して時間が割けるか、どこまで前進できるか自分でも分かりませんし、自信もありません。ただ、何もせずに最悪の形は迎えたくありません。「やらなくちゃ」ではなく「やる」という姿勢で取り組んでいきたいと思います。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
銭湯の廃業に関して思ったこと
よく知る都内の銭湯から、廃業したという旨の電話をもらった。いつものことではあるが、廃業のお知らせを見るたびに気持ちが暗くなる。
① 閉店のお知らせを店頭に掲示する
②SNSで廃業の噂が広がる
③ 閉店間際にかけ込みでお客さんが増える
④ その様子をSNSに投稿し、それを見た人がさらにかけ込みで入浴する
私自身としては、上に挙げたような、都内の銭湯が廃業する直前によく見られる光景を目にするととても心苦しくなる。
銭湯を経営する側からすると、「廃業したらもう二度と入れなくなる」という付加価値がつかなければ目の肥えたお客さんに来店してもらえないというのは、集客に対する努力が足りないことの表れだと思う。そのことは真摯に受け止めなければいけないと思う。
(以下、個人的な意見です)
銭湯を経営する側としては、閉店する前にひと花咲かせるようなイベントがあってもいいのではないかと思っている。
例を挙げると、昨年、文京区の菊水湯で有志の方々が立ち上げた「さようなら菊水湯プロジェクト」(http://todai-umeet.com/article/4283/)や、今年の10月にあった、八王子市に3件だけ残る銭湯のひとつである松の湯を存続させるための署名運動(2000人分の署名が集まったとのこと)が挙げられる。足立区でも、今年の4月30日で閉店された小台湯が、営業最終日に無料ライブを開催されていた。
もちろん、廃業する理由は様々であり、このようなイベントを行う余裕がない場合も多々あると思う。そんな時に、「最後に行きつけの銭湯を盛り上げてやろう」という気概のある方々が集まってイベントを企画して下さったら、多くの人が笑顔で銭湯を後にすることができるのではないだろうか。心ある若者よ、来たれ。
ここまで書いたことは机上の空論かもしれません。「甘い」とご指摘を受けるかもしれません。ただ、私自身としては、尻すぼみするような形で廃業する銭湯が減ることを、心から願っています。